・相場変動に合わせて、PF(ポートフォリオ)を改善してゆくことが運用の本来の作業であるが、
PF見直しは、PF構成銘柄を分類することが最初の基本である。
“性質別”に「優良株;仕手株」、
“値位別”に「値嵩;低位」、
“規模別”に「大型;中型;品薄」に分化する。
この場合特に「低位株」・「仕手株」・「優良株」の分類は特に重要な意味を持つ。
PF作成の概念;(A)(B)のPFを比較して、どちらが改善し易いであろうか?
(A)「値嵩優良;低位優良;大型優良;品薄優良」
(B)「値嵩優良;品薄優良;低位仕手;品薄仕手」
どんなに、痛んだPFであっても、PFの核(コア)になる(銘柄群)や(業種群)があれば、
それらを中心にした投資戦略が構築し易い。
一般に、株式投資に際しては、先ず、市場全体がどのような方向に進んでいるか、を把握する必要がある。
どのような銘柄を選ぶか、いつ投資するかは、その後の問題である。
その、市場全体の動きは、景気の変動に大きく左右されるが、
『マネーサプライの増加率から、経済成長率(名目)GNPの伸び率を引いた値』の変化に沿って、
循環が起きることが認められる。
即ち、「低成長→過剰金融→財政破綻→景気浮揚」の、金融政策へのシフトとなって現れる。
この景気循環が、相場の循環物色人気を引き起こす)のである。
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値位
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人気
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規模
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・ |
第1
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第2 |
第3 |
第4
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最終 |
・・・・・・
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・・・・・・ |
・・・・・・
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・・・・・ |
A
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低位 |
仕手 |
中型 |
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A
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|
|
A
|
A
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低位 |
20
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77%
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B
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低位 |
優良 |
中型 |
|
B
|
B
|
B
|
|
B
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ネガサ |
6
|
23%
|
C
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ネガサ |
優良 |
品薄 |
|
C
|
C
|
C
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|
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仕手 |
12
|
46%
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D
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低位 |
仕手 |
中型 |
|
D
|
|
|
D
|
D
|
|
優良 |
6
|
23%
|
E
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低位 |
仕手 |
中型 |
|
E
|
|
|
E
|
E
|
|
|
|
|
F
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ネガサ |
優良 |
品薄 |
|
F
|
|
|
|
|
|
品薄 |
6
|
23%
|
G
|
低位 |
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大型 |
|
G
|
G
|
G
|
|
|
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中型 |
13
|
50%
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H
|
低位 |
仕手 |
大型 |
|
H
|
|
|
H
|
H
|
|
大型 |
7
|
27%
|
相場全体の上昇と、銘柄属性別の跛行をモデル化すれば
上表の、左図と中図のように示される。(Cf;岡本博著;罫線の見方)
中図に示されるように、
上昇第一段階では全面高、第二・第三段階は優良株、第四段階は低位株の跛行となって現れる。
重要なことは、上表左図に示されるように(全26場面)中、
圧倒的に、○低位株・○仕手株の活躍場面が多く、
『ネガサ・優良株の活躍場面が少な』ことが判る。
ハイテクとか、優良などといった美辞麗句に惑わされ、
ネガサゆえの、派手な値動きにつられるのは、
『証券業界の営業政策に乗せられているだけ』に過ぎないことを認識しておかねばならない。
因みに、PF(A)が動けるのは14場面54%、PFの(B)は、9場面35%であり、
優良株に傾斜している(A)の方が変動率は高い。
従って、PF(A)は、(低位優良株をコア)に(低位仕手株)を加えれば、
PFの蘇生は比較的容易である。
一方の(B)は、低位仕手を中心に、中・大型の低位優良株を組み込まねばならないが、
変動率が低いため、入れ替えは容易ではない。
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