・投資家の持つ投資哲学によって、投資スタイルが決定されるのであるが、一般的に、
「グロース型(成長株)」・「バリュー型(割安株)」・「市場型」・「小型」の4通りに大別される。
「1;グロース型」
(市場平均を上回る成長性)を、見つけ出そうとするものであり、
現状が高PERであっても、(株価に反映されていない成長性)に注目する。
消費・サービス・医療・ハイテク等の高収益・高EPSの優良銘柄中心で、
景気循環に影響され易い・『景気循環型』や、
市場感応度の低い、『防御(ディヘンシブ)型』は、考慮しない。
更に、(2通り)の、サブスタイルに分類される。
(A;継続的グロース型) ;継続的な成長が見込める優良銘柄は、過去の業績も良く、
将来の高い利益も、容易に予測できるため、『高PERの消費関連』が殆ど。
(B;利益モーメンタム型);利益成長の変動性が極めて高く、
利益成長が加速度的に増加する銘柄を対象とする。
業種へのこだわりはなく、『利益成長の可能性』のみを注目。
「2;バリュー型」
定義は多様だが、一般的に、『低PER、低PBR、配当利回り』等に注目し、
(市場センチメントが悪化した場合)に、魅力的な投資対象となる。
更に、(3通り)の、サブスタイルに分類される。
(A;低PER型) ;理論株価に比べ、割安に放置されている株に注目、
景気循環型(加工・素材産業)防御型(食品、公共関連)などの、
『成熟産業や無材料株』が対象とされる。
(B;逆張り型) ;資産に比べた、割安価値に注目するため、
(低収益、無配、過剰債務)に注目し、
『景気循環の推移」から、(黒字転換、復配)といった、『経営内容の好転』に注目。
(C;利回り型) ;市場平均に比べ、『(比較的)高い配当利回り』に注目。
「3;市場型」
グロース型、バリュー型にこだわらない自由な銘柄選択を行う。
更に、(4通り)に分類される。
(A;バリュー偏向型);バリュー型に偏っているが、分類できるほど明確に偏っていない。
(B;グロース偏向型);グロース型に偏っているが、分類できるほど明確に偏っていない。
(C;市場標準型);バリュー型、グロース型の両方を持つか、状況で、どちらか一方に偏る
(D;株価重視グロース型);グロース型ではあるが、過度に高いPER銘柄は排除。
「4;小型」
機関投資家の対象になり難い小型株を対象とする。
配当利回りが低く、市場感応度(ベータ値)は高く、個別銘柄特有の動き(残差リスク)が大きい。
更に3通りに分類される。
(A;小型バリュー型);資産、利益、売上高に対し割安な、調査が容易な小型株が対象。
(B;小型グロース型);特に高い成長性を持つ銘柄に注目。ハイテク、医療、消費関連。
(C;小型市場型);小型で成長性が高く割安な銘柄を目標とし、業種的に偏らない。
以上4大別、「2;3;4;3」(17通り)の投資スタイルがあるが、
自分の得意なスタイルを確立することは、投資リスクの軽減や好パフォーマンスに繋がる。
また、それに相応しい投資環境を待つことが苦にならなくなる。
漠然とした認識や投資態度では、良好な運用成果は望み難い。
|