・17通りの運用スタイルと、12種類の属性の組み合わせから、
市場環境に適したPFを、最適化することが、投資パフォーマンスを上げる方法であることは前述した。
12種類の属性とは、「値位(低位;ネガサ)」 「人気(仕手;優良)」 「規模(大型;中型;品薄)」
その場合、「値位」・「人気」・「規模」の属性のなかで、「低位、仕手、中型」に注目することが、
運用パフォーマンスの向上に欠かせない、重要なポイントであることに留意しておくべき。
一般に、「ネガサ・優良・品薄」株は、
値幅が大きく、高成長株のように考えられているが、とんでもない誤り。
相場失敗の殆どは、『そうした銘柄の高値を買い込んだため』の悲劇である。
また、「低位・仕手株」を敬遠する人も多いが、これも、誤解に基づく偏見である。
株式投資で成功する人の多くは、そうした銘柄で儲けたのであり、理論的にも、実証的にも、
『この属性を有する銘柄が、最高の投資パフォーマンスを挙げる』ことが証明されている。
従って、悪い形のポートフォリオは、
(低位;仕手;中型)・(低位;優良;大型)・(ネガサ;優良;品薄)・(ネガサ;優良;大型)
というように、銘柄属性に共通点がない。
即ち、戦略性がないポートフォリオである。
少なくとも、「低位・仕手・優良・中型」の4つの属性の、
『どれか1つが、特徴的なポートフォリオ』が良い形のポートフォリオといえる。
しかし、属性の共通項が認められ、戦略性があるとしても、
発展性が認められなければ、良い形とは言えない。
端的に言えば、利食いできる銘柄が、少なくとも、ポートフォリオの中に、
(最低1銘柄)を有していることが、運用戦術のバリエーションを変える。
早い話、リスクを最大化できなければ、リターンも大きくならないということである。
利食いできる銘柄があれば、それをコア銘柄として、買い増し、売り建てをすることが可能となる。
合わせ切りも容易となり、余裕を持って運用できるため精神的負担も少なくて済む。
相場から降りるときには、絶対に損失が発生する(スッ高値では売れない、儲け損)、
含み利益がなければ、相場から、余程の覚悟がなければ降りられない。
ポートフォリオ作りに必要な概念は、「銘柄入れ替え」である。
利食い玉がなければ、(1銘柄の値上がり)では(1銘柄の入れ替え)しかできないが、
利食い玉があれば、(1銘柄の値下がり銘柄とあわせ切りによって、2銘柄を手放すことが出来る)。
投資における態度は、全ての銘柄も上がると思って仕込んではならない。
仕込んだ銘柄が全て値下がりする可能性もあり、
どれが上がっても下がっても柔軟に受け入れる、
(柔軟な対応が取れるポートフォリオ)づくりが必要である。
よく「銘柄が外れてばかりだ」とか、「銘柄選びが悪い」と言う人がいるが、
これは、(自分の買った銘柄は、絶対、上がらねばならない)と強く思い込んでいる人の発言である。
相場と当てごとは、(フンドシと同様に)勝手に、向こうから外れるもの。
外れても対処できるように運用するのが正しい認識であり、外れるたびに銘柄うんぬんは愚の骨頂。
下がれば売って、また、買えば良いだけのことである。
|